義歯のフィットを高める「リライン」とは?
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これを〈 リライン〉といいます。
パリムデンタルでは、診査診断の結果をもとに治療計画を立てます。
治療が始まる前にお口の中に残っている歯を口腔外科にて全て抜歯していただき、抜歯完了の翌日にパリムデンタルにて歯肉の型どりを行います。さらにその翌日に上下総入れ歯 (特許・治療用義歯) を完成させるという事を日常的に行なっています。
通常、抜歯から完成までを連続3日で行いますので、実質的に歯が無い状態になるのはトータル2日程度です。
しかし、当然抜歯を終えた後の歯肉の傷は2日程度では治りません。
この歯肉部分の傷が治るにつれて、総入れ歯と歯肉には隙が開き、フィットが悪くなってしまうのです。
リラインをわかりやすく解説
【図2】
抜歯完了の2日後にはパリムデンタルにて総入れ歯(特許・治療用義歯)が完成します。完成時には歯肉にジャストフィットした状態です。
【図3】
抜歯の本数にもよりますが、抜歯から2週間もすれば、主に歯肉が治癒することで、入れ歯の裏面と歯肉の間に大きく隙間が空きます。
ちなみに、抜歯直後に型どりを行うことは保険診療のルール上行えず、約2週間は歯肉の治癒を待たないといけないのは、至極当然の事なのです。
リラインを具体的に説明!
*こういった場合、一般的には歯科医院に頻繁に通い、入れ歯の歯の部分や入れ歯の裏面を削って調整を行うことになります。
総入れ歯(特許・治療用義歯)をお渡した約2週間後に、1回目のリライン処置を行います。
実際の写真で説明!
歯肉が治り、ガタガタになった上顎の総入れ歯(特許・治療用義歯)です。
総入れ歯の裏面(歯肉に当たる面)に柔らかい樹脂を盛り付け、お口の中で歯肉にピッタリさせた状態で樹脂を固めます。
そうすると、樹脂があふれて固まるので、このような状態になります。
時間がかかり、高度な技術が必要となるリライン処置・・・
4時間かけてでも完成させて患者様にお返しする理由は、もちろん、歯が無いままの状態で帰っていただくわけにはいかないからです。
しかし、一般的にはもっと短時間(例えば15分とか)で処置を中断するか、入れ歯を1週間ほど預けての作業になるはずです。
短時間で中断した場合は、仕上がりがとてもお口に入れられる状態では無いかもしれません。(石の表面のようにデコボコしてなど・・・)
歯科医院に預ける場合のほとんどは、外部の歯科技工所がリラインをしたそ総入れ歯を取りに来て、技工所に持ち帰り、形態修正や研磨の作業などを行い、そして歯科医院に後日納品という流れになると思います。
そうすると当然ですが、総入れ歯を預けた患者様はその間、歯が全く無い状態になってしまい、一般的には大変な思いをしないといけません。
実はこの「リライン」という処置、総入れ歯の裏面を樹脂で新しくしますので、大変難しい処置です。
パリムデンタルでのリラインという処置は全く心配いりませんので、安心して受けていただいて大丈夫です。
しかし、「今使っている総入れ歯が合わないから、近所の歯科医院に行って『リラインしてください』と言えばいいんだな」と思われる方はご注意ください。
リラインは大変難しい処置です。
安易に処置してもらうと、今以上に総入れ歯が合わなくなったり、全く使えなくなったりすることもあるので、一般的にどのような失敗があるか少しだけ知った上でお考えください。
リラインのよくある失敗
①入れ歯が異常に厚くなる。
特に金属床という保険外で作った総入れ歯をリラインした場合は深刻です。
入れ歯に厚みが出ることによって
- お口の中が狭く感じる
- 入れ歯の縁を舌で触ると大きな段差ができて気持ち悪い
- 発音にかなりの違和感が出た
- 無用に入れ歯が大きくなる事で逆に外れやすくなった
- ズシッと重くなってしまった
というようなことがありますが、一般的な歯科医院ではこの厚みが出来てしまった場合の対処はあまりされません。
パリムデンタルでは、特許・治療用義歯による咬み合わせの治療を行う約6ヶ月の間に、リラインを2〜4回行います。
その際、入れ歯がおせんべいほどの厚みになってしまっては治療になりませんので、厚みをキチンとコントロールする必要があります。
厚みに関しては、入れ歯の表面の方から削って薄くすることを行なっています。
下のイラストの斜線の部分を削れば薄くなりますよね。
ところが、一般的な歯科医院で保険外診療で作られることの多い、金属床(きんぞくしょう)の総入れ歯の場合は、表面に金属があるので、上のイラストのように削って厚みを調整して入れ歯を薄くすることはできません。
多くの方がこのように金属床をリラインされた状態で、困りに困ってパリムデンタルに相談に来られます。
余談ですが、金属床は薄くて快適、熱が伝わって快適という謳い文句で歯科医院で勧められることが多いのですが、金属部分が直接歯肉に接することで熱が伝わり・・・のはずが、リラインをして金属部分に樹脂を引っ付けてしまうと、何の為の金属床だったのか意味がなくなります。そして厚みは増して、厚みを薄く出来ないのです。
もし、軽いチタンのような金属で作っていたとしても、ずっしり重くなります。
金属床の総入れ歯を作ってもらった意味は全くなくなり、不快で毎日が憂鬱になってしまいますよね。
②見栄えが変わってしまう
リラインは入れ歯の裏面に樹脂を流してお口の中で固めて、入れ歯と歯肉の隙間をなくす処置ですが、この樹脂が固まる際、入れ歯の位置がズレていると大きく見栄えが変わることもあります。
ここまで見栄えが変わってしまうと、さすがに入れ歯を作り替えないと修正は非常に困難です。 たった1回のリラインで、全く使えない総入れ歯になってしまうこともあるのです。
③リライン処置の前よりも総入れ歯が外れやすくなる
しかし、残念ながらリラインという処置を行っても、外れやすくなったり、痛みが出たりと、一般的には処置前より問題が悪化する事があります。(パリムデンタルでの話しではありません)
その他の原因の多くは、「咬み合わせ」の問題です。